あなたは、どうしてスポーツショップを始められたのでしょうか。いろいろな事情や思いがあったのに違いありません。
例えば、「スポーツが好きだから、それを商売にしたい。」「親から受け継いだ下駄屋では食べていけないので、スポーツショップに鞍替えした。」「この先スポーツがすたれることはないだろうから、スポーツ用品を扱うことにした。」「いずれは全国に店を作って、大儲けをしたい。」「とりあえず生活のために、スポーツの経験を活かしたい。」
それぞれの思いで、お店を始められたことでしょう。そして、近所の学生やスポーツ選手がお店にやってきて、好きなスポーツ用品を手にして喜ぶ姿を思い描きながら、商売を始めたに違いありません。それは、とても自然なことです。
今や、その思いを達成されて、楽しく商売を続けておられます。しかし、この先、それだけで良いのでしょうか。スポーツショップには、もっと、大切な意味があるのではないかと思うのです。
つまり、どういうことかと言うと、私はスポーツショップの役割は、「世の中を明るく健康にすること」に、その大きな意味があるのではないかと思っています。そのためにスポーツ用品があり、お客様との関係があるのではないでしょうか。
自分や自分の家族、それに従業員の皆さんのためにお店を繁盛させるのは、当然です。しかし、それと同時に、「世の中のためになる」ことが、お店の役割でもあると思うのです。
どうして、そんなことを思うかと言いますと、近ごろ、元気が無くなってきたスポーツショップが多い、と感じるからです。私の所には「売上が下がってきた」「お客さんが減ってきた」「金回りが良くない」「商品が売れない」という相談があります。何かその特効薬は無いか、という相談です。特効薬が無いわけではありませんが、それだけでは根本解決にはなりません。
自分の店や家族、従業員の生活が心配なのはわかります。商売がうまく行かないと、憂うつにもなります。すると、お店に元気が無くなっていきます。あなたのお店には、そんな状態になってほしくはありません。
ですから、今の内に、根本的なことを考えていただきたいのです。あなたのお店は、何のためのお店かということを、よく考えていただきたいのです。あなたのお店の目的が、自分や自分の家族、それに従業員の皆さんのためだけであってはいけません。もう一歩進んで、お店の外のことにも目的を広げていただきたいのです。
つまり、お店の中だけでなく、「世の中を明るく健康にすること」を目的にしていただきたいと思っています。「スポーツショップであることの意味」もここにあるのではないでしょうか。